歯がグラつく・歯ぐきから血が出る~歯周病~

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歯周病とはどのような病気か?歯周病とはどのような病気か?

歯周病とは一般的に歯槽膿漏と呼ばれています。これは、毎食後歯に付着してしまう汚れがプラーク(歯垢)という状態になり引き起こされる病気です。初期の状態は歯茎が赤く腫れてしまったり、ブラッシングをしたときに歯ブラシに血がついてしまったりします。

また、この状態を放置してしまうとプラークという軟らかい汚れが歯石という硬い状態に変化してしまい、ご自身のブラッシングでは除去できない状態になります。歯石は細菌の塊であり、これらは歯茎の組織を溶かし、歯と歯茎の間が深くなります(歯周ポケット)。さらに放置してしまうと歯を支えている骨も崩壊してしまい、やがて歯そのものが抜け落ちてしまいます。

こうならないためにも、まず病気の原因は何か?をしっかり理解する必要があります。たとえば、歯科医院に初めて来ていきなり歯石を取る意味があるでしょうか?歯周病の原因は毎食後ついてしまうプラークという軟らかい汚れが原因です。つまり最初にやるべきことは、ご自身にあったブラッシング方法は何か?を専門の歯科衛生士と協力し身につけ、実践していただくことがスタートとなります。

当院における歯周病治療への取り組み当院における歯周病治療への取り組み

当院院長の竹内は目白歯周病研修会、弘岡秀明歯周病学コース(平成28年受講中)にて専門的な歯周病治療を学んできました。特にスウェーデン式の歯周病治療を取り入れ、歯科衛生士は完全担当制とし、同じ患者様を同じ歯科衛生士が継続管理します。

治療においては、基本的な初期治療を最重要視しています。内科的治療(抗生物質の投薬)や歯周病に効果があると謳う特殊な洗浄液・うがい薬は一切使用いたしません。なぜなら、歯周病の原因はプラークであり、それが歯石に変化することでさらなる組織の破壊を招くことがわかっています。つまり、原因であるプラークを患者さんご自身でコントロールして、我々は感染(歯石)を除去していく、この2点をしっかり行うことが最も重要であるからです(※1)。

また、治療後においては、歯周病に関して申し上げれば持続的なメインテナンスが必ず必要となってきます(※2)。歯周病は一度治療が完了したとしても再びプラークが付着し、歯石に変化することで再度進行してしまいます。これは歯科医院での一連の治療が終わり、しばらく時間が経ってしまうと患者さんのブラッシングのレベルが落ちてしまうためだと思われます。ゆえに、歯周病は進行停止の状態を維持し安定させるためにも、メインテナンスを継続していただくことが必要となります。

下記に当院での大まかな歯周病治療の流れを項目ごとにまとめておりますので、ご参照ください。

※1  The effect of mouthrinses and topical application of chlorhexidine on the developmentof dental plaque and gingivitis in man. Loe H, Schiott CR. J Periodontal Res. 1970;5(2):79-83. No abstract available.

※2  Healing following surgical/non-surgical treatment of periodontal disease. A clinical study.
J Clin Periodontol. 1982 Mar;9(2):115-28. Lindhe J, Westfelt E, Nyman S, Socransky SS, Heijl L, Bratthall G.

  • 1診査・診断
  • 2ブラッシング指導
  • 3SRP(スケーリング・ルートプレーニング)と再評価
  • 4歯周外科処置と再評価
  • 5メインテナンス
【1】診査・診断1診査・診断

治療を行うためには状態を正確に把握する必要性があります。当院では初診に60分の時間をかけることで精密な検査、疾患の原因、状態の説明を行います。

a.10枚法(14枚法)エックス線写真

当院では精密に歯周組織を把握するため、細かく10枚ないしは14枚に分けてレントゲンを撮影させていただきます。確かに大きなレントゲンのお写真を1枚だけ撮影すれば短時間、簡便にすませてしまうことが可能です。ですが、得られる情報は限られてしまいます。本当の診査、診断をするため、このような基本的なところをしっかり行うことを心がけています。

a.10枚法(14枚法)エックス線写真

b.歯周組織検査

プローブというメモリがついた器具を使用して、歯と歯茎の境目の深さ(歯周ポケット)を計測していきます。深さを計測することも大事ですが、検査時に出血があるかどうかや出血の状態を把握していきます。さらに、奥歯に関しては根が複雑に分岐しています。このような部分は特殊なプローブを使用し診査していきます。

  • 歯周組織検査歯周組織検査
  • 分岐部病変(根の又の病気)歯石が完全に除去できておらず抜歯となってしまったケース分岐部病変(根の又の病気)
    歯石が完全に除去できておらず
    抜歯となってしまったケース

c.口腔内写真

当院では、必ず初診時にお口の中の状態を一眼レフカメラにて撮影し記録をとっています。虫歯治療やセラミックスなどの審美治療の治療前後の比較にはもちろんのことですが、歯周病治療においては初診と比較し、歯茎の状態がどれだけ良くなったのかを定点的に観測することが可能です。また、メインテナンス時においても、定期的に撮影することで歯茎の状態が維持できているのかを判断することも可能となります。

c.口腔内写真

【2】ブラッシング指導2ブラッシング指導

当院では、初診検査の次のご予約はブラッシング指導となっております。
これは歯周病の原因でも述べたとおり、プラークコントロールをいかに患者さんご自身が行うかが歯周病治療の成功のカギとなるからです。また、一度の指導だけではブラッシングのモチベーションを維持できないことから、初期治療と並行して担当衛生士とチェックしていきます。

歯ブラシのやり方は患者さん一人一人の生活習慣から性格まで色々な要因により異なります。当院ではその患者様にとって最適なブラッシング方法について、時間をかけて説明させて頂いております。

※症例は歯周基本治療中のブラッシング指導のものです。

【3】SRP(スケーリング・ルートプレーニング)と再評価3SRP(スケーリング・ルートプレーニング)と再評価

ブラッシング指導後は、歯に付着した硬いプラークや歯石はご自身で落とすことができないため、我々の手で除去していきます。当院ではアメリカでシェアNo,1の超音波スケーラー(キャビトロン:デンツプライ社)を使用しております。キャビトロンはマグネット方式を採用しており、超音波振動が三次元的に発生し、歯石の除去効率が従来のピエゾ方式と比較し高く、またなによりも痛みが少ないのが特徴です。

超音波スケーラーにて除去できない部分においては、細い器具を使用して複雑な根の表面についている歯石を除去します。また、当院では全ての器具を完全に滅菌し、パックにいれた状態の物を開封して処置を行います。一連の処置が終わった段階で、再びプローブを使用して再評価を行います。

プローブ

【4】歯周外科処置と再評価4歯周外科処置と再評価

歯周基本治療終了後の再評価(プロービングによる検査)にて出血が認められ、深いポケットが残っている場合は再度基本治療を行うか、さらなる処置が必要になります(※3)。さらなる処置の1つとして、歯周外科処置といって歯肉をメスで開き、深いポケットの歯石を直視し除去する処置があります。歯周基本治療において歯石を除去するときは歯肉が存在するため、直接歯石を見ることができません。そのため、5mm以上の歯周ポケットがある場合、歯石を取り残す危険性が非常に高いことが分かっています(※4)。

このように歯周基本治療では取りきれなかった感染源(歯石)があることで、歯周組織が安定しない場合は外科処置へ移行する場合があります。もちろん、外科処置をするかどうかは歯周基本治療終了後の再評価時にしっかりご説明させて頂きます。

※3  Absence of bleeding on probing. An indicator of periodontal stability. J Clin Periodontol. 1990 Nov;17(10):714-21. Lang NP, Adler R, Joss A, Nyman S.

※4  Healing of the dento-epithelial junction following subgingival plaque control.II: As observed on extracted teeth. J Periodontol. 1978 Mar;49(3):119-34. No abstract available. Waerhaug J.

  • 歯周外科処置と再評価01
  • 歯周外科処置と再評価02
【5】メインテナンス5メインテナンス

一連の歯周病治療や被せ物の治療終了後は、その状態を維持するためにメインテナンスが必要となります。もちろん、治療後患者さんが適切なブラッシングを永久に続けて頂くことが可能であれば、新たなプラークの付着が起きず、メインテナンスの必要がないかもしれません。しかしながら、現実として歯科医院での治療が終わり、メインテナンスに来なくなってしまった患者さんのお口の中にはトラブルが起きやすい事実があります。

メインテナンスは英語でSPT(Supportive Periodontal Therapy)と一般的には言われます。このSPTの長期的効果においては、1972年から30年の調査結果からSPTを受けてない人は奥歯の喪失や虫歯の発生が認められましたが、SPTを受けた人達には新たな歯の喪失は認められなかったという文献があります(※5)。
このように、スウェーデンは1970年代の時点で継続的に歯科医院でメインテナンスを行う必要性があることが分かっているのにも関わらず、日本ではその考えが患者さんに伝わっていない現状があります。当院では『なぜメインテナンスが必要なのか?』についてもお話させていただいております。

メインテナンス

※5  The long-term effect of a plaque controlprogram on tooth mortality,caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance. J Clin Periodontol. 2004 Sep;31(9):749-57. Axelsson P1, Nystrom B, Lindhe J.